こんにちは、精神科ナースまさです。
少し前にアドラー心理学が流行っていたのを覚えていますか?
れっきとした心理学のひとつなのですが、人によっては「ただの流行」ぐらいにしか捉えていないかもしれませんね(笑)
そうなると「結局、アドラー心理学ってなんだったの?」ってなってる人も多いのではないでしょうか?
今回は、私なりに分かりやすくアドラー心理学の2つのポイントについてお話していきたいと思います!
この記事はこんな人にオススメ!
・アドラー心理学って聞いたことあるけど、よくわからない
・本とか読んだけど、内容がフワフワしていて理解が難しかった
・正直、アドラー心理学の考えが受け入れられない
アドラー心理学の2つのポイント
アドラー心理学については、いくつかの本があります。
有名なとこでは「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」じゃないでしょうか?
アドラー心理学についてのすべてを読んだわけではないのですが、アドラー心理学のなかでポイントとなるのが2つあると言われています。
それが
・勇気
・共同体感覚
です。
「勇気はともかく、共同体感覚!?!?」
ってなりますよね、わかります(笑)
安心して下さい!
この2つのポイントについて簡単に、分かりやすく解説していきます!
ポイント1.「勇気」
アドラー心理学でいう「勇気」とは無謀なことに挑戦できるエネルギーのことではありません。
では、なにを勇気というのか?
アドラー心理学では、「勇気のある人=自己受容ができている人」と表現しています。
つまり、「自分は自分で大丈夫。」と思える人ですね。
これは単に「自分のできないことから目を逸らす」のとは大きく異なります。
「できていない部分も含めて自分なんだ」と思える力です。
「そんなのは、ある程度成功してから言えることなんだ。なにも成功していない人が言うのはただの逃げだ!」
おや、昭和の頑固おやじからそんな声が聞こえてきそうですね(笑)
しかし、社会的成功と自己受容は全くの別のものになります。
むしろ、自己受容なしの社会的成功は難しく、長続きしないことが分かっています。
勇気は生きていくための土台をイメージしていただくと、分かりやすいかもしれません。
ポイント2.「共同体感覚」
この「共同体感覚」というのがアドラー心理学の特徴であり、「よくわからない」の根源になっていることが多いです。
簡単に言うと「共同体(社会や家族などの集団の場)の中での自分の居場所がある」という感覚です。
これだけだと、なんら解釈に問題ないと思いますよね?
しかし、アドラーはこの「共同体」について
「家庭や学校、職場、地域社会だけでなく、国家や人類などを包括したすべてであり、さらには動植物や無生物までも含まれる」としています。
「はぁ?」
ってなりますよね、分かります(笑)
とはいえ、この広すぎる「共同体の定義」についてはここでは深く掘り下げないので安心してください!
大切なのは「他人と交流のある場所において、自分の居場所があると思える感覚=共同体感覚」ということです。
この「共同体感覚」があるからこそ、
「勇気づけられる→貢献のために動ける→より共同体感覚を得る→また勇気づけられる・・・」
といった良い循環が生まれることになります
「勇気」を得るためには何をすればいい?
勇気の必要性は感じていただいたと思います。
では、実際にどんなことをすれば「勇気」を得られるのでしょうか?
私が何度も読み返したお気に入りの本「もし、アドラーが上司だったら」より、ひとつお話させていただきます。
主人公であるリョウ君は、なんの変哲もないサラリーマンです。物語はそんなリョウ君の上司がアドラー心理学を学んでアメリカから帰国したドラさんになるところから始まります。
ある日、リョウ君は仕事で大きなミスをして取引先からひどく怒られ、今後すべての契約まで打ち切るといわれていました。
そんなリョウ君をみてドラさんは取引先へ一緒に行くことになります。
ドラさんのおかげで、すべての契約打ち切りは免れましたがやはりリョウ君はひどく落ち込んでいました。
ドラさん「リョウ君、もう宿題を忘れてしまったのかい?『できていないところではなく、できていることろに注目する』だっただろう?覚えてる?」 リョウ君「でも、今回のような大失態には目をつぶるわけにはいきません。否が応でも『失敗』という言葉が目に浮かんできます。」 ドラさん「ボクはそうは思わないよ。これは君にとって素晴らしい『経験』だと思うんだよ。」 リョウ君「ドラさん、それはちょっとこじつけがすぎるんじゃないですか?」 ドラさん「ほう、じゃあ君はこじつけだと思うんだね?事実ではないと?」 リョウ君「はい。無理やりすぎます。」 ドラさん「リョウ君、円錐って知ってるかい?円錐を真横から見たらどんな形かね?」 リョウ君「三角です。」 ドラさん「ビンゴ!」「では、円錐を持ち上げて底からみたらどんな形?」 リョウ君「えっと、はい。円です。あ・・・!」 ドラさん「リョウ君、気付いたようだね。円錐は横から見ると三角、底から見ると円。どちらも本当なんだ。」
つまり、今回のリョウ君のミスには「失敗」という側面もあれば「経験」という側面もあるということです。
この場合だと、どちらのほうが「勇気づけ」になるでしょうか?
もちろん、「経験」と捉えられたほうが「勇気づけ」になりますよね。
事実はひとつですが、解釈は無限にあります。
事実を曲げるのではなく、解釈を変える。
無理やりポジティブになるのではなく、別の「事実」に気付けるようになる。
これが「勇気づけ」の一例になります。
「誰かを喜ばせること」は「共同体感覚」を育むこと
ポイントの部分でお話したように「共同体感覚」は「他人と交流のある場所において、自分の居場所があると思える感覚 」でしたね?
この共同体感を知るためには「誰かの役に立っている感覚」が大切になります。
なぜなら、人は「私は誰かの役に立っているぞ!」という実感がなければ「自分の居場所がある」と感じられないからです。
その実感が最も分かりやすいのが「誰かに喜んでもらえたとき」です。
誰かに喜んでもらえると、分かりやすく役に立っている実感が得られますよね。
「課題の分離」で振り回されない自分になる!
ここまで聞くと「よーし、明日から良いことしよう!」となるかもしれません。
しかし、ここで注意していただきたいのが、自分が「良いことをした!」と思っても、全員に受け入れられるわけではない、ということです。
良いことをしても、誰かにとっては「ただの点数稼ぎ」「良い人ぶっている」ようにみられてしまう場合もあります。
このときに大切なのが「課題の分離」という考え方です。
アドラー心理学では「それは『誰の課題』なのか」ということを重視します。
これを「課題の分離」といいます。
「良いことをするか、しないか」は自分の課題
そして、「自分が良いことをした結果、相手がどのように感じるか・反応するか」は相手の課題になります。
相手の課題に対しては操作できないので、自分の課題にだけ集中することが大切です。
この「課題の分離」ができるようになると、自分にも相手にも優しくなることができます。
まとめ
今回はかなり長くなっちゃいましたので、さくっとまとめますね!
・アドラー心理学は「勇気」と「共同体感覚」がキーワード!
・勇気は多角的にとらえて、解釈を変えることで、無理なく勇気づけができる!
・共同体感覚は「誰かの役に立っている実感」が大切!
・「課題の分離」で自分にも他人にも優しくなれる!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回参考にさせていただいた本
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