けっこう活用できる?実際に病院で使われる心理検査3選!

精神科

こんにちは、精神科ナースまさです。

私は精神科の看護師をしながら、心理学も大学で勉強しているのですが、心理学で学ぶもののひとつに「心理検査」があります。

心理検査?そんなの実際使えるの?

心理検査はみなさんも聞いたことがあると思いますが、実は精神科の病院でも実施しているちゃんとした検査です。
しかし、実際はどんなことが分かるんでしょうか?

今回は精神科の現場で実際に使っている心理検査TOP3それぞれの特徴を紹介していきたいと思います!

この記事はこんな人にオススメ!

・精神科でよく使う心理検査を知りたい
・それぞれの心理検査でどんなことが分かるのかを知りたい
・心理検査を実際の看護に活かしていきたい

よく実施される心理検査TOP3

WAIS-Ⅳ(ウェイス)

WAISは成人の知能指数を測る代表的な知能検査です。IQを測るときに用いられる検査のひとつなのですが、心理検査のなかでも客観性が高くかなり信頼されている知能検査になります。
さらに単純にIQの値を算出するだけでなく、言語理解・知覚推理・ワーキングメモリ・処理速度の4つそれぞれの指標が点数として算出されますので、その人の得意・不得意まで分かる心理検査になります。(WAIS-Ⅳの場合)

言語理解・・・言葉や説明の理解力
知覚推理・・・図や地図などの視覚的な理解や物事の見通し力
ワーキングメモリ・・・短期記憶の保持をしながら他の物事の処理をする能力
処理速度・・・得た情報から作業をこなす速度を速くする力

ちなみにIQは90~109が一般的で、69以下で発達障害や精神遅滞の可能性があるとされています。

WAISの精神科における特徴と活かしかた

まず最もみなさんにお伝えしなければならないのが、WAISの検査結果だけで発達障害などの診断を確定することはできません。
診断を確定するためには、知能検査に加えて成育歴や今の生活状況などを医師が確認し、診断基準をすべて確認できて診断を確定することになります。
そのため、WAISをしたところで診断は確定しないのです。

本検査では言語理解・知覚推理・ワーキングメモリ・処理速度すべてを点数としてみることができるので、その人が「なにが得意でなにが不得意なのか」を知ることができます。
例えば、言語理解の点数が低く、知覚推理の能力がたかいのであれば、図や絵で説明するほうが理解が得られやすくなります。
ワーキングメモリが低い場合には、一度にたくさんのことを頼むのではなく、ひとつ終わったあとにまたひとつ頼むようにする、などです。

精神科では、疾病教育も頻繁に行います。
それは、退院後の生活をトラブル少なく過ごせるようにするために必要だからです。
そのためには、患者さん本人がより理解して行動していけるように、患者さんの理解の特徴を踏まえて説明していくことが大切になります。

MMPI(ミネソタ多面式人格目録)

MMPIはさまざまな角度からの質問に答えてもらうことで、精神症状だけでなくその人の生活態度や興味・関心など、客観的にその人の性格や特徴を把握することができる検査になります。
もともとは、精神疾患の診断基準にも使われていたため、精神疾患の有無を考える際にも役立ちます。
世界的にも有名な検査で日本でも広く普及しているのが特徴です。

質問内容は550問あって、それぞれに「はい」「いいえ」「そちらでもない」で答えてもらうことでその人の特徴を把握することができる検査になります。

MMPIの精神科における特徴と活かしかた

MMPIは非常に細かい本人の性格まで知ることができる一方で、問題数が多く早い人でも1時間程度かかることが一般的です。
正直、精神科の病棟に入院されている患者さんに実施するのはかなり気が引けます・・・(心理士さん、いつもありがとうございます。)
一方で、本人の性格や考え方の特徴まで分かりますので、看護師として患者さんに関わる際に参考になることが非常に多いです!
例えば、話を聞いてほしいけど自分からは言いにくいと思っている患者さん
静かに過ごしていて問題なさそうに見えるけど、刺激に非常に弱く何かあれば危険な行動をするリスクが高い患者さんなどなど。

私も心理検査を勉強するまでは、あまりMMPIの結果をみても「ふ~ん」ぐらいにしか思わなかったのですが(なんだか結果が難しくて・・・)、勉強してから見てみると「そうなんだ!今度からこんな風に関わろう!」と思う場面が本当に多いです。

そのぐらい、細かく、普段の関りからでは分からない性格や特徴まで分かる検査がMMPIになります。

ロールシャッハテスト

ロールシャッハテストも前述したMMPIのようにその人の性格や特徴を知る検査になります。
紙にインクを垂らしてその紙をふたつに折り曲げて、広げたような左右対称の絵があり、その絵がなにに見えるかを答えてもらう検査になります。

upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/70/Ror...
https://en.wikipedia.org/wiki/Rorschach_test


検査時間は人によって大きく異なりますが、40分程度が多いです。
大きな違いはいくつかあるのですが、ロールシャッハテストの最大の特徴は「深層心理が分かる」ところになります。
こう聞くとなんだか胡散臭いですが、ロールシャッハテストは心理検査の中でも非常に高度な検査で、本人が気づかない心理面までも知ることが可能な検査になります。
そのぶん、実施の難易度は心理検査の中でも最高クラスに難しく、心理士の中でもかなり練習した人でなければ結果をだすことができません。
受ける側としても「こんなもんで何が分かるんだ?」と思うのですが、結果を聞くと「えっ、たしかに自分の特徴がはっきり捉えられている・・・」と驚く人も多いです。

ロールシャッハテストの精神科における特徴と活かしかた

ロールシャッハテストも性格診断なので、その人の性格的な特徴を捉えることに役立ちます。
また、MMPIよりも本人の特徴を映し出すことが可能である分、個別性の高い看護が可能になります。
疾病教育においては本人の価値観を踏まえながら、どのように病気と付き合っていくのかを一緒に考える際に一役買ってくれます。

まとめ

人によっては避けがちな心理検査ですが、使う相手と使い方によっては大変頼もしい味方になってくれます。
病気によって精神状態が左右されていると使いづらい場面が多いですが、入院中の関わり方や退院後の生活をどのように整えていくのかを考えるうえで役に立つことは間違いないです。
特に精神科では採血やCT、MRIなどの身体的な検査では分からないところを知ることが大切になりますので、ぜひみなさんも活用していければと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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