こんにちは、精神科ナースまさです。
今回はいつもと違って、他の科では必要ないけど精神科看護師として気を付けないといけない
「精神保健指定医」と「特定医師」の違いをまとめていきたいと思います。
この記事はこんな人にオススメ!
・そもそもなんで違いが分からないといけないのかが分からない ・精神科で働き始めで「精神保健指定医」と「特定医師」の違いがよくわからない ・新入職員に違いを説明したいけど、うまく説明できない
なんで看護師が両者の違いを把握しないといけないのか?
精神科は他の科と違って、患者自身や周囲への被害を考慮し、やむを得ず強制的な入院を行う必要がある状況が発生します。
この際に、その決定を下したのが「指定医」なのか「特定医師」なのかによって
①入院されられる時間が異なったり
②そもそも「特定医師」では決定できない入院形態
があるのです。

「でもそれって、医師の問題でしょ?なんで看護師が把握しなきゃいけないの?」
確かに、②はほぼほぼ起こりえません。
しかし、①の場合は病棟の看護師が把握していないと期限が過ぎそうになってしまうことが稀にあります。
もちろん病院全体の責任なので、一概に看護師だけが悪いということではありませんが、指定医からの記録や指示を仰がなくてはいけない状況を見過ごしてしまうと、法に抵触してしまう可能性があります。
ですので、しっかりと両者の違いを把握しておくことで、そのようなアクシデントを防げるようにしましょうってことなんですね!
入院形態の種類と要件
今回は「精神科の看護師として知っておくこと」として取り上げていきますので、資格の取り方とか歴史は省略します。
精神科の入院形態には5つあります。
任意入院
患者さん自身が心身の不調で入院を希望されて、入院となる形態。
この場合は基本的に患者さんが退院を希望されたときに退院となります。
しかし、指定医(もしくは特定医師)が入院継続が必要と判断して、患者さんのご家族等からも同意が得られた場合に医療保護入院に切り替わる場合もあります。
医療保護入院
指定医(もしくは特定医師)が入院が必要と判断しても、本人から同意が得られなかった場合の第一選択になります。
この場合は、患者さんのご家族等へも入院の必要性を説明し、同意が得られた際に医療保護入院となります。
この際に注意して頂きたいのが
①特定医師の場合、入院期間は12時間のみである
②ご家族等=配偶者(内縁は×)、患者本人の親権がある方、3親等内の扶養義務者、後見人or保佐人
ということです。
特に看護師が注意したいのは①の場合です。この場合、なるべく早めに「指定医」につなぐ必要があり、夜間や週末の入院の場合は遅れがちになります。
応急入院
こちらも指定医(もしくは特定医師)が入院が必要と判断しても、本人から同意が得られなかった場合ですが、ご家族等と連絡がとれなかったり、身元不明の患者さんの場合に応急入院となることがあります。
入院期間は
指定医の診察の場合は72時間以内
特定医師の診察の場合は12時間以内
と決まっていますので、それまでに他の入院形態へ移行もしくは退院を判断しなければなりません。
また、この入院形態をとれるのは一定の施設基準をみたしており「応急入院指定」を受けている病院のみになります。
措置入院
「措置入院」と「緊急措置入院」は指定医のみ判断が可能となる入院形態です。
警察官が自傷他害のおそれのある人を発見した際に、県の職員が調査したうえで「精神疾患によって自傷他害のリスクあり」と判断した際に、指定医2名に県より診察の依頼があります。
そしてこの指定医2名とも入院の必要性を判断した場合に知事の決定により「措置入院」となります。
この際には「措置要件」といって、「措置入院になった要件」がありますので、これらの症状が改善を目指し、改善した場合には速やかに措置入院を解除する必要があります。
緊急措置入院
自傷他害のリスクがあり緊急性が高いため、正規の措置入院手続きを行う時間がない場合に
特定医師1人の診察結果によって知事より決定される入院です。
この場合、入院期間は72時間までとなっておりますので、それまでに次の対応を考えて準備しなければなりません。
まとめ
指定医と特定医師では判断可能な入院形態や入院期間に差があります。
私たち精神科看護師はこれらを把握し、迅速に次の対応を考え、適切な職種への連携が必要となりますので、把握する必要があるんですね。
今回は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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