こんにちは、精神科ナースまさです。
私が勤めている病棟では、アルコールをはじめギャンブルや薬物などの依存症患者さんを受け入れています。
そのため、依存症がいかにその人の人生を狂わせてきたのかも目の当たりにすることが多いです。
しかし、そうなってからではほとんど取り返しがつかないのです!
「そうは言っても自分は別に依存症じゃないし、あんまり関係ないよね」
と思われる方も多いかもしれません。
しかし、スマホやオンラインゲームの普及で「隠れ依存症」も増えてきております。
実際は、日常生活に障害が出なければ依存症と診断はつきませんが「隠れ依存症」が日常生活の満足度にマイナスな影響を与えていることが分かっています。
逆に言えば、依存症の原因となる物質と正しく付き合えるようになることで、生活の満足度を向上させることにもつながります!
今回は依存症の原因物質とその付き合い方2つを紹介し、みなさんのより良い生活につなげていってもらいたいと思います。
依存症の原因物質
「依存症」と一口に言っても、様々な種類があります。
前述したアルコールや薬物、ギャンブル、スマホやゲーム、買い物などなど・・・。
これらすべての依存症の原因となる物質が「ドーパミン」です。
このドーパミンが、お酒を飲んだ時やギャンブルをするときなどに分泌されることで快楽を感じさせるのです。
ドーパミンのメリット・デメリット
そんな危険なドーパミンですが、このには非常に大きなメリット・デメリットがあります。
メリット
・達成感やモチベーションのもと
ドーパミンは目標達成のためのやる気を湧きあがらせ、達成したときの満足感を感じる役割があります。
・集中力、生産性が高まる
ドーパミンの分泌によって、集中力が高まり生産性が上がるので、自己成長を加速させます。
・瞬間的に幸福感を感じられる
ドーパミンは、分泌されてから幸福を感じるまでの速度が速いため、すぐに幸福感が感じられます。
デメリット
・幸福感が持続しない
ドーパミンの効果は長くは続じゃないので、幸福感が持続しないんです。
・慣れてしまう
慣れを感じてしまいやすく、同じ量や同じことでは満足できなくなってしまいます。
・アルコールやギャンブルなどで簡単に出せてしまう
簡単に出せてしまうのに、前述した2つのデメリットと合わさって、量が増えても増えても満足できずさらに求めてしまいます。
→1度ハマると抜け出しにくい!
ドーパミンを味方にする2つの方法
ドーパミンの悪循環にハマってしまうと、意志の弱い私たちでは抜け出すのが困難になります。依存症になっている状態では、客観的な思考能力が落ちているのでなおさら自制が効かなくなってしまうのです。
依存症まではいっていない状態からドーパミンとの付き合い方を変えることで、日常の満足度を上げることができます。
制限する
これは、カナダ、ブリティッシュコロンビア大学のエリザベス・ダン博士による研究です
AとBの2つのグループに1週間チョコレートを食べてもらう。
次の1週間は
・Aグループにはチョコを食べるのを禁止
・Bグループには好きなだけ食べてもらう
1週間後、両方のグループにチョコを食べてもらうと・・・
・Aグループは前よりも食べる楽しみが増えていた
・Bグループは前よりも明らかに食べる楽しみが減っていた
この研究結果から、「制限したことで、同じこと(チョコを食べる)をしても満足度に大きく差がでる」ということが分かりました。
つまり「制限することで同じ量でも前よりも幸福を感じることができて、『もっともっと』を減らすことができる」ということです。
これを日常生活に応用してみましょう。
例えば、アルコールやゲームでは曜日や時間を決めたりするなどの制限を設けるなどが有効でしょう。
できれば1日おきではなく、3日おきなど空白の時間を空けるとより効果的です。
これによって、同じ時間や量であっても前よりも満足することができるようになるのです。
毎日の小さな自己成長を味わう
実は、多くの人が日常生活で小さな自己成長をしています。
しかし、残念ながら小さくて自分では気づいていない、もしくはそんなのは自己成長とは言えないと切り離してしまうのです。
仕事では「前よりも早く、丁寧に終えることができた」「新しいことを知ることが出来た」など
家事では「料理の味付けがうまくいった」「イライラせずに家事・育児ができた」など
この小さな自己成長を感じたとき、人はドーパミンを分泌し「もっと自己成長しよう!」と正しい方向に努力を継続することができるようになるのです。
まとめ
依存症の原因物質である「ドーパミン」は
人生を破滅に追い込む「敵」にもなれば
楽しく自己成長を促し人生の質を向上させる心強い「味方」にもなるのです。
ぜひ賢く付き合って、心強い味方にしていってください!
今回、参考にさせていただいた本は
精神科医、作家の樺沢 紫苑さん著書「精神科医が見つけた3つの幸福」からです。
この本は私自身何度も読み返しており、幸福について科学的で分かりやすく実践できるように書かれている名著ですので、ぜひみなさんも読んでみてください!
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